ウェルビーイングカード

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「ウェルビーイング」って何?

ウェルビーイング(Wellbeing/Well-being)とは、「well=よく、よい」と「being=存在する、〜の状態」が組み合わさった言葉で、それぞれの人の「よく生きるあり方、よい状態」を意味します。

あなたにとって「よく生きるあり方、よい状態」とは、どんなとき、どんな状況でしょうか? それは、心身が健康であるとき、自分の成長を感じたとき、大切な人と一緒に過ごすとき、誰かの役に立ったとき、大自然のなかにいるときなど、人それぞれ異なります。

また、ウェルビーイングは、「これがあなたにとってよい生き方」だと、誰かから一方的に決められるものではなく、自分で試行錯誤しながら、主体的に見いだし、実現していくものでもあります。

「わたし」のウェルビーイングから、「わたしたち」のウェルビーイングへ

ウェルビーイングを「わたし」として追求していくことはとても大切です。一方で、人は社会の中で他者とかかわり合いながら生きています。つまり、「わたし」のウェルビーイングを追求するにも、「わたしたち」として考える視点が欠かせません。このようなウェルビーイングの捉え方は道徳教育のめざすところと方向性を同じくするものです。

では、「わたしたち」としてのウェルビーイングを実現するにはどうするか。それはお互いの考えを可視化し、尊重し合い、一緒に考えることです。

ウェルビーイングカードの誕生

その対話を深めるためのツールとして、『わたしたちのウェルビーイングカード』(NTT2021年~)がつくられました。

日本教科書の教科書には、中学生でも理解しやすい26種類のカードを収載しています。

道徳の授業や、日常の学級活動のなかで使いやすい形で付属されていますので、ぜひご利用ください。

ウェルビーイングカードの特長

ウェルビーイングカードは、授業のなかで内容項目そのものについて学ぶだけでなく、生徒自身が、自分はどのような価値を大事にしているのかを意識したり、それについて生徒どうしで議論することをサポートします。

中学生が理解しやすく、考えやすい

自分で考えたキーワードを書き込める白紙カードも用意してあります。

カードの言葉は,学校を含めた様々な現場からの反応をもとに決定されました。はじめに、千人を超える大学生へのアンケート結果をもとに言葉のリストをつくり,これまでの心理学の研究を参照しながら,企業や福祉施設、小中学校や高等学校でワークを実践して、言葉を追加・修正、再構成されました.とくにこの教科書に提供されている26枚のバージョンは、中学生の言葉の理解度にあわせて、数や言いまわしを調整されています。

内容項目と重なる4つのカテゴリー

カードの色は4つのカテゴリーに準じています。

ピンク=「I」 わたし
オレンジ=「WE」 わたしたち
ブルー=「SOCIETY」 みんな
グリーン「UNIVERSE」 あらゆるもの

ウェルビーイングカードは、「I」「WE」「SOCIETY」「UNIVERSE]の4つのカテゴリーに分かれています。

実はこれは、道徳の学習指導要領における内容項目の「四つの視点」とも重なっています。このことからも、ウェルビーイングカードと道徳教育は親和性が高いといえます。

授業でウェルビーイングカードを使うメリット

  • 生徒の考えが引き出されやすい!

    大人であっても、何もないところから言葉にするのは難しい……。カードを眺めて、そのなかからしっくりくる言葉を選ぶことで、生徒が考えやすくなります。

  • 自己理解、他者理解が進む!

    生徒はカードを選んだ理由を考えるなかで、様々なことに気づいていきます。また、他の生徒が選んだカードを見たり、対話することで、多面的・多角的な見方ができるようになります。

  • 話し合いが活発になる!

    カードの活用をきっかけに、ふだん発言の少ない生徒からの発言も期待でき、クラス全体が活発になります。道徳の授業だけでなく、ホームルームの時間などでもカードが活用できます。

  • 学校の教育活動全体の「要」として!

    このカードは、学校の教育活動全体にわたって、よりよく生きるための基盤となる資質/能力を養うために活用できます。

授業での活用法(教材×ウェルビーイングカード)

タイトルの下に「ウェルビーイングカード」マークのある教材は、巻末のカードを使うのに適しています。また、マークのあるなしにかかわらず、全ての教材でも活用できます。

授業の導入でウェルビーイングカードを活用する

授業の導入では、「今、自分が大事に思うこと」について26枚のカードから1枚を選んで理由を紹介し、3~5人の班で共有します。

続いて、教材を読んだ後で、発問に進みます。生徒は、「その時、主人公が大事にしていること」や「教材を読んで思ったこと」などを考えながらカードを選び、その理由を述べます。

選ぶカードは3枚までが目安ですが、それ以上にカードが増えても構いません。また、話し合いの途中で、カードの入れ替えもOKです。

カードの選択と共有は、パソコンやタブレットを使うデジタル教科書でも行えます。

授業展開のなかでカードを活用する

導入場面での活用

「言葉の向こうに」(2年 P60-61)

展開前半での活用(中心発問をもとにした思考場面)

「分け火」(1年 P108-109)

展開後半での活用(深化発問をもとにした思考場面)

「栄冠は君に輝く」(3年 P 28-29)